資産運用収益から保険会社を見極める
資金のフローと、ストックで見た保険会社の体力度
生命保険会社の決算報告を見ていて気が付いた事ですが、保険金不払い問題は損保だけでなく生保も保険業界全体にやはり影響が出ているようです、とりわけニーズ喚起型の営業活動による依存度が比較的高い保障型の保険商品等の新規契約は、前年度対比で見ると日本社大手で10数%のマイナスになっています。 そう思いながら、実際にキャッシュフローやストックとしての影響はどうかと思い、以下に財務基盤の元になる指標のランキングを掲載しました。もちろんこれだけでは会社の詳しい状態はわかりませんが、あくまで財務基盤の元になるものとして考えてもらえばいいと思います。純資産運用益、純保険料収入はそれぞれ出の部分の資産運用費用と支払い保険金を控除した数字です。 やはりというか日本生命の控除前の資産運用益は、純保険料収入部門第2位のアリコジャパンの控除前の保険料収入と(1,490,272百万)、それ程変わらない(1,409,724百万)数字になっています。10年国債利回が未だ2%未満で推移する中で、企業の業績好調による株式配当収入の増加が資産運用益を下支えし、S&Pの財務格付け情報でもランクの上がった生保が比較的多くありました。(三井、日本、朝日、住友等) これから金利上昇局面のおいては、やはり資産規模が大きく収益構造に左右されると思いますが、問題はそうした収益を契約者配当にまわすか、内部留保として財務基盤の強化を優先させるかと言った形で体力差が出て来るでしょう。 |
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